校長先生からのご挨拶

慶應義塾女子高等学校 校長 鈴木千佳子
慶應義塾女子高等学校 校長 鈴木千佳子
 

 慶應義塾の創立者である福澤諭吉先生は、明治維新の世にあって、日本がその独立を果たすためには、国民それぞれが独立し、自らの考えをもってことにあたることの重要性を説きました。そして、「中津留別の書」において、「男といい女といい、等しく天地間の一人にして軽重の別あるべき理なし」と述べ、世間が女性を蔑視することをたしなめ、男女同権を説き、その後も生涯にわたって女性の活躍に期待し続けました。
 慶應義塾大学は、終戦後の教育改革の流れの中で大学部への女子の入学を許可し、昭和25年(1950年)に女子高が創立されました。それから今日に至るまでのおよそ70年の歴史の中で、女子高が各方面で活躍する多くの卒業生を輩出してきたことは、女子教育に対する福澤先生の卓見の結果ということができましょう。
 女子高はその教育理念として、「自由・開発・創造」を掲げています。これは、日ごろから生徒を「自由」の気風の中において責任を自覚させ、成長のために自らを律して常に自分を高め、新しいものを「開発」し、未知のものを「創造」していく努力の尊さを発見してもらうための教育をおこなうという考え方です。自由の中にこそ真の独立があるということは、福沢諭吉先生の「独立自尊」という言葉にも通じるものです。
 女子高には、いつも生徒たちの活気があふれ、笑い声が絶えません。これこそが、慶應義塾女子高の大きな魅力です。3学年併せて生徒数も約600人と少人数であるため、同じ学年であればみなが顔見知りになります。それぞれが互いの個性を知り、尊敬し尊重しあいながら共存し、また、先生方の目もすべての生徒に行き届いています。先生は生徒の行動を信頼し、生徒も先生と親しく接する様子は、心を和ます風景です。
 これまで築きあげられた伝統を守りつつ、これからも女子高がさらに進化し、前進を続けるため、教職員一同、一心に努力してまいる所存です。
 どうか女子高の、そして女子高生の「これから」を引き続き見守って下さいますよう、心からお願い申しあげます。