私は当初、TOFUの活動内容についてよく知らないまま、ちょっとした興味からこのプロジェクトに参加した。それから半年。さまざまなトラブルを抱えつつも、 TOFUの成功を目指してグループの皆と行ってきた一連の活動をここにまとめてみたいと思う。
10月、学年の枠を越えて20人近くの生徒がこの企画に参加した。そして、その中でスウェーデン班とブルネイ班と、二つのグループに分けられた。私はブルネイ班ということになったのだが、当時はブルネイがどこにあるかも知らないほど、その国は遠い存在だったのだ。 交流をする前にまず相手の国についての基本的な知識を得るために、メンバー各人がブルネイについて調べることになった。私はブルネイ王国の歴史と政治・社会制度について本やインターネットを用いて調べたのだが、ブルネイに関する資料が少なくて作業が難航した。 それによりブルネイが世界一裕福な国であり、その総資産はイギリスの女王の資産の五倍もあることには驚かされた。 それぞれが調べる作業が一段落したものの、ブルネイと交信がスムーズにいかず連絡が取れない日が続いた。その間に私達は、実際にブルネイの生徒達と何をするかを話し合った。なかなかない機会なので、ただメールをするだけでは惜しく、色々検討した結果、国際的に問題になっていたアメリカのテロ事件についてディスカッションを行い、互いの考え方や宗教観の相違を見つめあうことになった。 そこで、新聞やテレビ、インターネットを通してテロ事件に関する知識を深め、ブルネイ班のメンバーでもディスカッションを行った。日頃何気なくニュースをみている時は、怖いと思いつつもやはり遠い世界にしか感じられていなかった。しかし関心をもって事件を調べ、皆で話し合うことにより、その背景にある軍事的、経済的格差、先進国と発展途上国の問題など、どんどん奥が深まり日本と世界の関係や役割について真剣に考えをめぐらすようになった。 また、「100人の村」という本を題材に日本語でのディベートも行った。平和とは何か?幸せとは何か?私達の幸せ、豊かさと貧しい国の人々の幸せには価値観の差があり、単純に定義できる問題ではない。しかし、先進国の経済的に恵まれた国の私達の役割として、第一に相手の立場にたって少しでも彼らの自立の援助ができるようにしなければいけない、と改めて思った。 そして3月、ついに私達はブルネイと回線をつないでディスカッションを開くことができた。このときに使用したのは“ネットミーティング”という機械でウィンドウズのソフトである。機械班だった私は同じ機械班のメンバーと共に事前に実験を行い使用方法などの準備に携わった。 当日はドキドキしメンバー内でも興奮が高まった。いざ画面にブルネイの生徒達の顔が見え、交信できた時は本当に感動的だった。残念な事に時間の都合で完全なディスカッションの成功には到らなかったが、今後へのおおきな一歩となったにちがいない。 大変なこともあったが、人間にとって重要なことを考える機会と、世界とつながる喜びをあたえてくれたTOFUに参加できたことを光栄に思う。 |