校長からのご挨拶

慶應義塾女子高等学校 校長
慶應義塾女子高等学校 校長
 

  慶應義塾女子高等学校に一歩足を踏み入れた時、まず目に入るのは、日本庭園に通ずる江戸時代の門と学びの場に向かうブリッジです。はじめて女子高を訪れた時、そこに現れているコントラストに私は強い印象を受けました。過去と未来が交錯するこの空間は、まさに伝統を受け継ぎながら未知の世界を拓いていく本校を象徴しているかのようです。
 160年余り前、慶應義塾の創立者 福澤諭吉先生は、鎖国から開国へと向かう時代の中で、「独立自尊」を説きました。「独立自尊」とは、すなわち自他の尊厳を守り、何事も自分の判断、責任のもとに行うことを意味します。福澤先生はこれを慶應義塾の基本精神としました。そして学問を治める過程においては、「智徳」と「気品」をことのほか重視しました。「智徳」と「気品」を備えた人格こそ、社会を先導する者にふさわしいと考えていたからです。そこに慶應義塾の真の目的を置き、門下生たちにその志を託しました。
 慶應義塾女子高等学校は、1950年(昭和25年)に慶應義塾の一貫校として創設されました。それ以来70余年、本校の気風は慶應義塾の伝統的な理念・文化の中で育まれてきました。また、新たな時代を切り拓く教育実践において、私たちは「自由・開発・創造」を大切にしています。10代半ばから後半にかけての高校生活は、いわば思春期の総仕上げの時期です。多感で好奇心に溢れた女子高生が自分を見失わず、それぞれに抱く夢に向かって知性を磨き、自由な校風の中で、そのかけがえのない資質が開花することを期待しております。
 本校の門をくぐる生徒一人ひとりが、慶應義塾、そして女子高等学校の理念を身をもって体験し、成長し、やがてこの学舎から巣立ち、社会で活躍する多くの卒業生と共に、さらに羽ばたいていくことを教職員一同、願っております。